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筋トレをする人なら、筋肉を大きくするためには「筋トレで負荷を与えること」と「食事で栄養を摂ること」が重要だと知っているでしょう。
しかし、それだけでは十分ではありません。
もう一つ、忘れてはならない要素があります。
それは、「十分な睡眠をとって筋肉をしっかりと休ませること」です。
睡眠は、筋肉の修復や成長に必要な時間であり、睡眠不足は筋肥大に悪影響を与えることが最近の研究で明らかにされています。
この記事では、睡眠と筋肥大の関係について、科学的な根拠を踏まえて詳しく解説していきます!
筋肥大のメカニズム
筋肥大には、筋肉繊維の増加と筋肉繊維の太さの増加の2つの方法があります。
ただ、どちらも筋肉繊維を刺激することによって筋肥大が促進されることに変わりはありません。
負荷をかけて大きくするってことですね。
筋肉繊維は、トレーニングによって刺激され、筋肉中のタンパク質が分解されます。
その後、分解されたタンパク質を再構築し、新しい筋肉繊維を作り出します。
このプロセスをタンパク質合成と呼びます。
タンパク質合成には、成長因子が必要と言われています。
ちょっと難しい言葉ですが、成長因子は、筋肉中で活動している細胞から分泌され、筋肉の成長を促進する働きを持ちます。
成長因子の一つであるIGF-1は、筋肉中でタンパク質合成を促進することが知られています。
そして、筋肥大には、適切な栄養摂取も欠かせません!
タンパク質は、筋肉中で合成されるため、適切なタンパク質摂取が筋肉肥大に必要です。
また、炭水化物や脂質などの栄養素も、筋肉肥大には重要なんです。
もうひとつ、筋肥大には、十分な休息が不可欠です。
トレーニングによって筋肉が刺激されると、筋肉中のタンパク質は分解されます。
その後、休息によって分解されたタンパク質が再構築され、新しい筋肉繊維が作り出される。
休息が不十分な場合、この働きが弱まってしまうのです。
睡眠不足が筋肥大に与える影響
では、一番の休息である睡眠不足が続くと、どのような影響が出るのでしょうか。
睡眠不足は身体に様々な影響を及ぼすことが知られています。
例えば、睡眠不足は免疫機能を低下させ、ストレスホルモンの分泌を増加させることが報告されています。
また、睡眠不足は肥満や糖尿病などの生活習慣病のリスクを高めることも知られています。
もちろん、睡眠不足は、筋肉肥大にも悪影響を与える可能性があるとされています。
睡眠は、筋肉繊維の修復と再生に必要な時間であり、十分な睡眠がないと、筋肉の成長を妨げられてしまうからです。
具体的には、睡眠不足が筋肥大に与える影響は以下4つです。
- タンパク質合成の低下
睡眠不足は、IGF-1の分泌を抑制することがあります。
IGF-1は、タンパク質合成を促進する成長因子の一つであり、筋肉肥大に必要な栄養素です。
睡眠不足がIGF-1の分泌を抑制すると、筋肉のタンパク質合成が低下し、筋肉肥大が妨げられてしまいます。
- グリコーゲンの低下
睡眠不足は、筋肉中のグリコーゲン(筋肉のエネルギー源の一つ)の再合成を妨げてしまいます。
これは、トレーニング後のグリコーゲンの再合成に必要な時間が短くなることを意味します。
結果として、エネルギー源の不足が筋肉肥大を妨げてしまいます。
- カテコールアミンの増加
睡眠不足は、交感神経活性を増加させることがあります。
交感神経活性は、カテコールアミン(アドレナリン、ノルアドレナリンなど)の分泌を促進するのですが、これらのホルモンは、筋肉タンパク質の分解を促進するため、筋肉肥大に悪影響を与える可能性があります。
- 疲労度の増加
睡眠不足は、疲労感を増加させることがあります。
疲労感は、トレーニングの際に筋力や持久力を低下させるだけではなく、トレーニングのモチベーションや集中力にも影響を与えます。
睡眠不足は、脳の働きにも悪影響を及ぼし、判断力や記憶力、学習能力などが低下することが報告されています。
睡眠不足で筋トレをすると、正しいフォームで行えなかったり、適切な負荷がかけられなかったりといった可能性があります。
これは、筋肉だけでなく、関節や靭帯などのケガのリスクを高めることにもなります。
また、睡眠不足はストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を増加させることがあります。
コルチゾールは、筋肉タンパク質の分解を促進するだけでなく、免疫機能や代謝機能にも悪影響を与えます。
コルチゾールが高い状態で筋トレをすると、炎症や感染症にかかりやすくなったり、脂肪の蓄積やインスリン抵抗性を引き起こしたりする可能性があります。
睡眠と回復のためにできること
睡眠不足が筋肥大に悪影響を与えることがわかりましたが、ではどうすればよいのでしょうか。
睡眠と回復のためにできることは以下の通りです。
- 十分な睡眠時間を確保する
睡眠時間は個人差がありますが、一般的には7〜8時間程度が目安です。
睡眠時間が短すぎると成長ホルモンやIGF-1の分泌が低下し、筋肉の修復や成長が妨げられます。
また、睡眠時間が長すぎるとコルチゾールの分泌が増加し、筋肉タンパク質の分解が促進されます。
自分に合った睡眠時間を見つけて守りましょう。
- 質の良い睡眠をとる
睡眠時間だけでなく、睡眠の質も重要です。
睡眠の質を高めるためには以下のことに気をつけましょう。- 就寝前にカフェインやアルコールなどの刺激物を避ける
カフェインやアルコールなどは神経系に刺激を与えて覚醒状態を持続させたり、睡眠サイクルを乱したりします。
就寝前3〜4時間以内に摂取しないようにしましょう。 - 就寝前に強度の高い運動を避ける
強度の高い運動は交感神経を活性化させて体温や心拍数を上げます。
これは睡眠に入るために必要な副交感神経の働きを妨げます。
就寝前3時間以内に行わないようにしましょう。
ただし、軽いストレッチやリラクゼーションなどは逆に睡眠の質を高める効果があります。 - 快適な睡眠環境を整える
睡眠環境には温度や湿度、明るさや音などが関係します。
温度は25℃以下、湿度は50〜60%程度が快適とされます。
明るさや音はできるだけ暗く静かにするのが理想です。
また、寝具や枕も自分に合ったものを選びましょう。
- 就寝前にカフェインやアルコールなどの刺激物を避ける
- トレーニング後に栄養補給をする
トレーニング後は筋肉の修復や成長に必要な栄養素を摂取することが大切です。
特にタンパク質と炭水化物は筋肉のエネルギー源や材料となります。
トレーニング後30分〜1時間以内に摂取するのが効果的です。
また、水分補給も忘れずに行いましょう。
- グルタミンを摂取する
グルタミンはアミノ酸の一種で、筋肉中に最も多く含まれています。
グルタミンは筋肉タンパク質の合成を促進したり、免疫機能を強化したりする働きがあります。
グルタミンはトレーニングやストレスなどで消費されるため、サプリメントなどで補給することがおすすめです。
まとめ
今回は睡眠と回復についての記事を書きました。
睡眠は筋肉の修復や成長に必要な時間であり、睡眠不足は筋肥大に悪影響を与えることがわかりました。
十分な睡眠時間と質の良い睡眠をとることで、筋肥大を促進しましょう。
また、トレーニング後に栄養補給をしたり、グルタミンを摂取したりすることも効果的です。